HUB-SBA MAGAZINE

2023年度 シドニー海外研修プロジェクトの報告

2023年11月30日

img_blog20231127_21.jpg
訪問先のJOGMECにて

8月28日~9月3日、経営分析プログラムの学生を対象とした海外研修が行われ、学生7名と教員2名がオーストラリア・シドニーを訪問しました。本プロジェクトは、みずほ証券寄附講義の一環であり、今回で14回目となります。コロナ禍による中断後、3年ぶりの実施となる今回は、「資源と環境のビジネスとファイナンス」をテーマに、日本貿易振興機構(以下JETRO)をはじめ、オーストラリアの金融企業や現地に進出している日本企業などを訪問しました。

資源と環境のビジネス最前線を訪ねて

参加者は、シドニー訪問前に数回に渡り勉強会を行い、オーストラリアにおける資源やエネルギー事情について調査するとともに、ヒアリングすべき論点を整理した上で現地研修に臨みました。最初の訪問先であるJETROでは、オーストラリアの概況を把握し、次のシドニー大学では最新のデータ分析手法の説明を受けたあと、事前の勉強会で調査をした情報に基づき質問、議論を行いました。またキャンパス内の学生食堂などで、物価高と円安の影響を体感しました。エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)では、オーストラリアの鉱物資源の最新動向について国際的な視点から解説を受けました。その後、オーストラリアの大手銀行・ANZ銀行と、国際協力銀行からは「融資する側」について、シドニー空港では「融資を受ける側」、そしてIHIからは「日系企業として現地でビジネスを行っている」視点から、それぞれの現状や課題について話を伺いました。

これらの訪問を通じて、脱炭素エネルギーへの移行の動きは確実に進んでいることや、その推進役としての機関投資家の役割の重要性が増していること、ただし日豪間ではやや温度差があることなど現地の感触を知ることができ、日本国内では得ることのできない学びとなりました。

研修成果の報告

img_blog20231127_22.jpg
円安を痛感したレストラン

参加者は一様に、事前の勉強会から現地でのヒアリングを通じて、資源と環境という今日的な課題について理解を深めることができたと語るとともに、現地を訪問したからこそ得られる刺激に大いに触発されたようでした。ある参加者は、「現地において日本と言う国の信頼度の高さを伺うことができ、それがビジネスにつながるという流れを改めて認識できたのは収穫であった」と話しています。また、資源大国のオーストラリアでも物価高と賃金高騰に苦慮し、一部の国民は、自国が燃料資源輸出国でありながら恩恵があまりないと感じていることなど、現地ならではの情報を吸収することができました。別の参加者は、「現地に直接赴かなければ触れることができない、現地企業が今の経済環境に感じている危機感などをより説得力のある形で吸収することができた」と研修の成果として、語っていました。

視察先:
Australia and New Zealand Banking Group/ IHI Engineering Australia / 国際協力銀行 / シドニー大学 / 日本貿易振興機構(JETRO) /エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)/ シドニー空港

調査目的:
(1)ESGやSDGsに関連する企業財務や経営の実態調査
(2)金利の上昇とインフレが再燃する中、インフレに関連が強い鉱山・燃料資源の輸出国の経済状況の理解
(3)円安の影響を体験する

*みずほ証券寄附講義のウェブサイト

HUB-SBA MAGAZINE