2025年01月20日
みずほ証券寄附講義のご支援を得て毎年行っている海外研修プロジェクトは15回目を迎え、今回は「地政学的なリスクとそれを支える金融サービス」をテーマとして、8月27日から31日までの日程で台湾を訪問しました。4日間に渡る日程の中で、台湾の地政学的リスクを踏まえた貿易戦略や、自然災害リスクへの具体的な対策、そうしたリスクに備える金融サービスなどについて学びを得る目的で、台湾・日本双方の企業や現地公的機関、大学などを訪ねました。本研修には、経営分析プログラムの学生9名と教員3名、スタッフ1名の総勢12名が参加しました。事前学習では訪問先企業を分担して調査し、全員で共有するとともに、質問事項を準備して、訪問に臨みました。
訪問先
台湾企業 | プリンストンテクノロジー(Princeton Technology Corp.)※集積回路など電子部品の開発設計 DGM Co.,Ltd. ※廃油の再利用 玉山銀行 |
日系商社 | 豊田通商株式会社 株式会社守谷商会 |
公的機関 | 台湾桃園国際空港 台湾証券取引所 |
教育機関 | 国立中央大学 |
台湾は、東アジアにおける地政学上の要衝に位置しており、中国本土と香港から輸入の約25%を依存し、輸出相手国としても約40%の存在感がある一方で、米国、欧州諸国のほか日本、韓国との貿易も盛んです。そうした状況下、中国への経済依存を軽減するため、政府が「新南向政策※」としてASEAN諸国や南アジア、豪州などとの関係強化を進めています。今回の訪問先において、それぞれの事業をグローバルに強化している取組みを伺うことができました。また、台湾は、日本と同様に地震や台風といった自然災害のリスクが非常に高い地域であり、災害への備えが欠かせません。こうしたリスクについても訪問先の多くの企業で対策が進んでいる様子が窺えました。
参加した学生は、今回の研修で得られたこととして、実際に現地を訪れてこそ得られる情報や体験は大変貴重なものであり、また海外から日本がどのように見られているかを考えるという点においても有意義な機会となったと振返っていました。
※ 新南向政策:ASEANや南アジア地域への工場進出という従来の一方向的な動きから、ASEAN、南アジアに加えてオーストラリアおよびニュージーランドも含めて18の目標国と戦略的パートナシップを構築し、人材や資金、技術、文化、教育などの双方向の交流を拡大する政策