2025年09月17日
2024年度受講開始
福元 結和さん
「学部・修士5年一貫教育プログラム」を活用して、経営分析プログラムへ進もうと思った大きなきっかけはアメリカへの留学でした。私は将来海外で活躍したいと思っているのですが、キャリア人材として働く場合、学歴は修士まで取っているのが一般的で、日本でいう学部卒くらいのイメージだということを知りました。実際にアメリカの大学に留学していた時にも、周りからそういう雰囲気を感じましたね。それならば、グローバルスタンダードに合わせ、修士課程へ進学しようと決めました。学部の4年次は、修士1年と重なりますが、その年の前半まで留学していたので、その分を後期に履修しなければなりませんでした。学部とMBAの講義、そして学部の卒論、MBAでの共同研究と就職活動も同時並行でした。本音を言うと大変でもありましたが、特に就職活動については悪い影響があったとは全然思っていません。企業の方からは、「あなたは5年一貫でMBAなの?すごいね!」と言われたり、MBAで学んだことをインターンシップで生かせたりと、「理論と現実の往復運動」を学生時代に実践できて、むしろとても役に立ちました。
実は学部の講義は、ゼミ以外は対話のある授業が少ないんですね。ですが、MBAのカリキュラムでは、ワークショップをはじめ、どの講義でもテーマについてお互いに意見交換をします。一緒に学ぶ仲間には社会人の方が多いので、その対話の中で実務の現場では実際どのように進んでいるのかなど、自分は経験したことがないところを知ることができるのは良いなと思っています。また、学部生時代は経営学、会計学、マーケティング、金融というのはそれぞれが独立していて個々に学んでいるという認識だったのですが、MBAの講義を受けてみて、実際の企業経営ではそれらは全部つながっていて、知識を総動員して課題解決に取り組むんだなということがやっと分かってきました。一橋大学に入って5年目にようやく知の創造といったことができるようになりました。これは5年一貫生だからこそ得られる学びだと思います。
学部4年生の時点で、優秀な方々とのネットワークを作れるということも、5年一貫プログラムの大きな魅力だと思います。企業ですでに活躍されている方と机を並べディスカッションできるということは、新卒で就職した職場ではすぐには叶わないことだと思います。就職活動をしていた時は、志望する金融業界で働く社会人学生の方から、業界や志望企業について教えていただけました。これは、自分が進路を決める上ですごく役に立ちました。金融業界の入社後のキャリアなども教えていただけたりして、自分自身がその業界、企業に入ったときのキャリアパスがイメージしやすかったです。社会人の方は豊富な知識や経験をお持ちですし、新卒の皆さんも目標を据えて高い志を持っていますので、日々、新たな気づきに溢れています。
本当に楽しくて仕方がないですね。学部生のころは、会計ってなんで勉強するんだっけ?などと思っていましたが、例えば、財務諸表に書いてある数字はただのデータではなく、数字にはそれぞれちゃんと意味があるということが分かったんです。財務諸表の販管費が高かったら、この企業はブランドを構築するのにお金をかけているのかもしれない、という推論もできます。数字上のデータだけではなくて、企業戦略やどういうブランドを作ろうとしているのかということも分かってきて、それがすごくつながっていく感じです。ほとんどの人が学部4年で学びが終わってしまいますが、学部ではよく分からなかったところが、「なるほど!」と理解できるようになります。MBAは商学部からの学びの"集大成"で、全部が繋がった感覚があります。5年一貫は忙しさはあるものの、それ以上に価値のあるプログラムなので、学部生の方もチャレンジしていただければと思います。
私はMBA修了後は金融業界へ就職します。すぐに関われるか分かりませんが、私自身がアジア地域にすごく興味があるので、東南アジアと日本のコラボレーションを促進できるような職に携われたらいいなと思います。また私の就職先が政府系ということで、インフラなど民間にはできない規模の大きなプロジェクトに関わっていきたいと考えています。もう少し先の将来については、より中立的な立場でアジア経済の発展とか国際的地位向上みたいなことをビジネスの視点から達成出来たらいいんじゃないかと思っています。ちょっと大きい目標ですが、一橋での学びを生かして頑張ろうと思います。
(2025年9月)