2025年10月28日
去る10月3日にベトナム・ハノイにて開催された「ベトナム・日本フォーラム2025」において、経営管理研究科の篠沢義勝教授が講演しました。篠沢教授は、今年度の経営分析プログラムにて「企業財務」および「ワークショップ(金融)」を担当しています。
このフォーラムは、ベトナム国家大学ハノイ校経済経営大学(VNU-UEB)とアジア未来協会(AFA:Asian Future Association)の共催によって開かれており、エビデンスに基づく政策提言を生み出すとともに、研究と実務との対話を促進するうえで重要な役割を果たしています。今年は、1973年の両国国交樹立から52周年および、2023年の包括的戦略的パートナーシップへの格上げから2周年となり、"Vietnam - Japan Partnership: Collaboration and Development in a changing global context"というテーマで実施されました。
今回のフォーラムでは、両国の政府機関、大学、企業から専門家が登壇し、ベトナムと日本の協力・発展の現状と未来について活発な議論が交わされました。議論の焦点は、貿易促進、インフラ開発への日本の貢献、FDI(海外直接投資)の新たなアプローチ、そして両国のビジネス・学術連携の強化など、多岐にわたりました。このフォーラムは、変化する世界情勢の中での日越間の強固なパートナーシップを再確認し、将来の協働に向けた重要な基盤として、今後も継続的に開催される予定です。
このなかで篠沢教授は、"Vietnam Through Japanese Eyes: Investment Narratives in Mutual Fund Prospectuses"というタイトルで講演し、日本の投資信託会社が販売運用するベトナム株投信の販売資料を基に、ベトナムをどのように描写しているかを分析する研究の中間報告を行ないました。具体的には、販売促進用パンフレットについて、AIを活用したテキストマイニング手法で頻出語彙および語彙間の関連性を抽出し、「ドイモイ改革・製造業・米国・中国・輸出・国際的なサプライチェーン・低賃金」という語彙群を検出しました。この結果から、日本の投資信託会社はベトナム株を「輸出志向型の製造業を核とする外需牽引型成長株」として有望な投資先のひとつに位置づけ、日本の投資家に勧めていることを明らかにしました。なお、その後のパネル討議中の様子が現地テレビ局によって放送されました。
参考記事(外部リンク)
VnEconomy
VIETBAO.VN