HUB-SBA MAGAZINE

経営の見方が変わった2年間

2026年04月10日

村瀬 尚吾さん

2026年3月修了
村瀬 尚吾さん

キャリア形成を前向きに捉えてくれる社風に背中を押され、一歩を踏み出した

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私は旅行会社の法人営業部門に所属し、顧客の事業課題の解決を支援する立場にありました。当初は、旅行事業から派生する形でビジネスイベントを中心に手がけていましたが、組織のミッションとしては営業スタイルをよりコンサルティング型へと発展させ、その推進役を担うことが求められていました。一方で、顧客の事業戦略担当や経営層と対話する機会が増える中で、物事を俯瞰的かつ体系的に捉える力が自分には不足していると痛感するようになりました。入社以来、業務に追われる日々が続き、正直なところ"考える力"を失っていたと思います。自分自身のキャリアのあり方についても、立ち止まって考える機会をなかなか持てずにいました。そこで、会社の企業派遣制度を使いMBAに挑戦することを決めました。会社には「自律的にキャリアを創造していこう」という前向きな考え方や、それを後押しする制度があり、そうした社風にも背中を押されて一歩を踏み出したという感覚です。

MBAでの学び

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「マーキュリー会同窓会」同期の仲間と

経営分析プログラムの田村俊夫先生(経営管理研究科特任教授)の「M&Aの理論と実務」という講義では、田村先生が繰り返し用いられていた表現「So what?(だから何なのか?)」という言葉が深く印象に残っています。M&Aという現象の本質を理論的に深く掘り下げ、統合的に理解することを目的としたこの講義では、思考を深めて本質を捉える姿勢や、問いを立てることの大切さを、非常に熱意をもって教えてくださいました。

また、昼間開講の経営分析プログラムに所属しながら、夜間開講の経営管理プログラムや金融戦略・経営財務プログラムの授業を受講しました。実務経験豊富な経営者の方々の講義に触れられたことも、大きな学びの一つでした。例えば、パナソニック株式会社で専務、事業会社社長などを歴任され、現在は創援株式会社代表取締役として中小企業支援に携わっている榎戸康二先生(経営管理研究科客員教授)の講義もその一つです。榎戸先生は、自らの価値観に基づいた「経営のあり方」を大切にされていて、本質を踏まえながら実務に向き合う姿勢、経営者視点で考えることの重要性について学ばせていただきました。

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講義終わりに(ゲスト講師を囲んで)

金融戦略・経営財務プログラムでは、Institution for a Global Society株式会社代表取締役会長 CEOの福原正大氏が2025年度に担当された、冬期集中講義「グローバル・リーダーシップ」を受講しました。そこでは、AI時代の急速な進展を踏まえ、リーダーシップを発揮するうえで、自身の価値観を問い直すことの重要性や、志を抱くことの大切さについて深く考える機会となりました。

こうした学びは、「自分は何を大切にし、どうありたいのか」を問い直す、大きな転機になりました。それまで言語化できていなかった自分の価値観や判断軸を、初めて真剣に掘り下げ、仕事への向き合い方を見つめ直すことになりました。

この2年間を振り返ると、ひたすらインプットを重ねた日々でした。反省点としては、もっと目的意識を明確にし、選択と集中を意識して学ぶ余地もあったと感じています。ただ、自分なりに納得しているのは、経営についてほとんど知識のない状態でここに来たからこそ、あらゆることを吸収するつもりで向き合えたことです。まずはインプットを大切にし、とにかく頭を動かしながら、必死に食らいついた2年間でした。

自分の中での変化を実感し、経営の見方が変わった

MBAで学ぶ中で、思考の変化を実感しています。目の前の業務や事業課題に向き合うことの重要性は変わりませんが、今はそれらを個別の論点として捉えるのではなく、経営者の意思決定の背景や、企業経営全体の視点から考えるようになりました。また、企業を取り巻く経営環境や社会環境の変化にも関心が広がったと感じています。

自社は今、従来の旅行業からビジネスモデルの転換を進めています。これから会社に戻り新たな役割を担う中で、その変革に主体的に貢献できるよう、自ら果たすべき役割を考え、学び続けていきたいと思います。一橋で出会った志の高い仲間たちと経営を学ぶ中で、その思いはいっそう強くなりました。

受験生の皆さんへ

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修了式にて。共に学んだ仲間と

私自身、一橋ビジネススクールで学ぶ中で、戦略・組織論、マーケティング、会計、財務・ファイナンスといった基礎的な経営知識の重要性を強く実感しました。以前はそれらの知識が圧倒的に不足していましたが、この2年間フルタイムで経営学を網羅的に学ぶことで、これまでの実務経験や問題意識を構造的に捉え直すことができるようになったと感じています。一橋での学びは、自身のキャリアにとってかけがえのないものになりました。

経営分析プログラムでは、フルタイムで徹底して経営を深く学べる環境があり、熱意を持って学びに向き合えば、その姿勢に真摯に応えてくれる教授陣や仲間がいます。千代田キャンパスの夜間プログラムでは、働きながら学ぶ実務経験豊富なメンバーの姿も大きな刺激になりました。一橋ビジネススクールには、それぞれに素晴らしい学びの環境があります。

(2026年4月)

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