2026年06月15日

2025年度入学
城戸 大祐さん
私は一橋大学商学部を卒業後、交通インフラ系の企業に入社しました。駅やホテル等の現場で3年間、次いで鉄道やバスなどの交通セグメントを管理する部署で、予算や中期経営計画などを策定する業務を担当しました。その後は、海外子会社での研修も経験し、現在は新規事業を担当する部署において社内外の方々と連携しながら事業開発を行っています。
私は、業務上、行政や大企業からスタートアップまでさまざまな組織と接点を持つことから、組織運営やイノベーションの活性化への関心がありました。そこで、改めて経営を体系的に学びたいと考え、本プログラムを志望しました。入社して概ね10年を経た中で、無意識のうちに会社側に寄った考え方をしてしまうという漫然とした危機感もあり、MBAを通じてフラットに外部の目線や考え方を取り込みたいとの思いもありました。
私が一橋ビジネススクールを選んだ理由は、本学商学部出身という個人的な親和性と、経営分析プログラムの魅力が大きかったというのがあります。国立キャンパスの(良くも悪くも?)都会的すぎない雰囲気の居心地が好きでしたし、学部やプログラム間の垣根も低いため幅広く授業を取れるおおらかな体制が、いろいろな分野に触れたいと考えていた私に合っていると感じました。実際に、経営分析プログラムには商学部の授業との共修もありますし、千代田キャンパスの夜間プログラムの授業も受講することができます。また、学部の時からゼミを中心に少人数で学ぶ機会が多くありましたが、MBAに進んで一層そのメリットを享受できていると感じています。実際の講義では、理論学習とケーススタディを少人数で行うため、密度の濃い時間を過ごせています。また、集中講義や海外研修等で、経営者や海外で働く方と議論する機会に恵まれ、経営の現場で何が行われているかを解像度高く学ぶことが出来ています。
私は企業派遣の制度を利用していますが、勤務先のメンバーにも協力してもらい、MBAに通いつつ、業務も一部担当しています。週に一日は会社へ出社しており、仕事の打ち合わせや会議は授業間の空きコマなどを使ってオンラインで行っています。全日制のMBAなので仕事との両立には少し難しさはありますけれど、逆に講義の選択肢が広いので時間割の調整はしやすいのかなと思っています。また、MBAで学んだことがすぐに業務に直結することも多いかと思います。勤務を続けているおかげで、会社内のネットワークにはすぐアクセスできるので、MBAでのご縁で仕事のネットワークも広がっています。
修士1年次の導入ワークショップ・基礎ワークショップを通じて研究の進め方や、大まかな方向性の解像度を上げることができました。それらに基づき今年度のワークショップではカン・ビョンウ先生(経営管理研究科教授)の下、大企業とスタートアップ企業各社間の連携深度の差が、何から生まれるのかを探求しています。大企業目線で見ると、いわゆるオープンイノベーションは外部の技術や知見を取り込むインバウンド型が多いと思いますが、その成否はかなりバラバラで、いざ始めてみると案外続かないケースも多々あります。一方、スタートアップ目線では、どこかの企業と組むたびに同じような実証実験を繰り返し、なかなかビジネスとして昇華しないというもどかしさがあります。そんな中でも確実に連携を進めている事例も当然あるわけで、そうした連携深度の差を何か見いだせないかと考えています。
2年次ワークショップでは、個々が関心のある分野について日々研究しています。ワークショップでその報告を聞きながらディスカッションを重ねることで、結果的に私自身も幅広な分野について知見が深まっているように感じています。定量的な分析アプローチ等について、カン先生に親身にアドバイスをいただきながら、どうすれば価値のある仮説とその検証に繋がるかを皆が真剣に考えています。
経営やビジネスについては、仕事を通じて学べることも非常に多くあると思いますし、実際業務でさまざまな経験をしてきました。その中であえてMBAに進む価値は何かというと、私は「ノーリスクでチャレンジできること」に尽きると思います。仕事の内容や立場を一度脇において、学問に正面からぶつかることができる機会はあまり多くありません。
また、MBAは2年という限られた期間ですが、少人数教育で密度が高く、一人ひとりが濃い時間を過ごしています。多様性に富みモチベーションの高いメンバーたちと日々切磋琢磨することで、インプットとアウトプットが循環し、まさに「理論と現実の往復運動」の体現ができていると感じます。
学部生の皆さんにとっても、MBAへの進学は良い選択肢になると思います。新卒のMBA生には社会人と同じ立場・空間で学ぶ機会は貴重だと思いますし、一方で社会人の私も新卒のMBA生からすごく刺激をもらっています。グループワークでも正直な話、社会人だけで話をしてしまったほうがまとまるのは早いかなと思うのですけれど、議論の発展性という意味ではやはり新卒組の斬新なアイデアというか、ある意味ストレートな考え方みたいなものを出してもらった方が議論は深まります。将来、より自信を持って社会に飛び出すためにも、MBAで社会人と共に頭に汗をかくことはいい経験になるのではないでしょうか。
私もまずは研究を成果物として仕上げること、そして卒業後はMBAで学んだことを少しでも業務に活かしたいと思います。個人として、MBA卒業後も何らかの形で学び続けることでスキルアップを図りたいです。そして何よりも同期や先生方とのつながりを今後も大事にしていこうと思います。
(2026年6月)