2026年08月10日
バイロン・シャープ著、前平謙二/訳(2018.7)
『ブランディングの科学 誰も知らないマーケティングの法則11』朝日新聞出版
「博論はVTuberでいこう」
2019年当時、にじさんじやホロライブといった企業勢の破竹の勢いを目撃した私は、YouTubeというプラットフォーム上でVTuber産業がどのように成立するかは最高の研究題材に違いないと直感しました。
しかし、理論的な切り口が定まらない。そんな私に、指導教官の沼上幹先生が紹介してくださったのが『ブランディングの科学』でした。一見すると"コンサル本"のようだったので、「何故この本を?」と思ったことを覚えています。
いざ読んで見ると驚きの連続。多くの教科書で説明されてきた「ロイヤルカスタマーを大事にせよ!」といった"神話"を、実データを駆使し、説得的に・分かりやすく覆していく筆致は爽快そのものでした。読みものとしての面白さを担保しつつ、「アベイラビリティ」という新理論を説得的に提示していること。しかもこの新理論が、一昔前の理論と思われていたマスマーケティングや、NBDディリクレなどの複雑な数理モデルに裏打ちされていたことも当時の私には衝撃的でした。
「理論と現実の往復運動」で「直感に反する知見を提示」する、『ブランディングの科学 』は、一橋商学部の精神を体現した一冊で、今でも私のお手本です。
【Information】一橋大学附属図書館
バイロン・シャープ著、前平謙二/訳(2018.7)
『ブランディングの科学 誰も知らないマーケティングの法則11』朝日新聞出版