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ミスミ・ベトナム人留学生奨学金受給 経営分析プログラム 修了者 グエン ティベットチンさんに聞く~奨学金のおかげで研究に没頭

2024年12月09日

Trò chuyện với bạn Nguyễn Thị Việt Trinh, người tốt nghiệp khóa Phân tích kinh doanh và nhận Học bổng MISUMI dành cho học sinh Việt Nam~ Nhờ vào học bổng tôi có thể dồn tâm huyết để nghiên cứu (trang tiếng việt)
 

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経営分析プログラムには、毎年度ベトナム人留学生1名を対象として2年間で合計500万円を給付する「ミスミ・ベトナム人留学生奨学金」という制度があります。この奨学金を利用して経営分析プログラムで学び、現在は株式会社ミスミに勤務するグエン ティベットチンさんに一橋ビジネススクールでの学生生活を振り返っていただきました。

 

日本で経営を学びたい

私は、ベトナムで高校を卒業した後、日本への留学を目指して日本語の勉強を始めました。2012年に来日し、日本の大学の出願条件である日本語能力試験(N1レベル)合格を目指して、東京の日本語学校で1年半学びました。14年には、民間の奨学金を得て信州大学経済学部に入学し、その後18年に、一橋ビジネススクール 経営分析プログラムに入学。修了後の20年に株式会社ミスミに就職しました。

日本への関心はベトナムの教科書がきっかけでした。日本は第二次大戦で敗戦したにもかかわらず復興し、先進国にまでなったことを知り、ベトナムとの違いを感じたことから興味を持ちました。ですから、日本はどのように経済成長を果たしたのかを学びたいと思い、学部は経済学部を選びました。しかし、その後、企業活動や経営管理への関心がより高くなり、MBAを目指すことにしました。

そして、MBAの最高学府で学びたいと考え、中でも学んだ知識が実際に活用できるよう「理論と現実の往復運動」を重視している、一橋ビジネススクールを第1志望としました。

奨学金のおかげで研究に没頭

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ミスミ・ベトナム人留学生奨学金制度については、入学が決まってから知りました。信州大学でも奨学金をいただいていましたが、それだけでは十分ではなかったためアルバイトをして賄いました。経営分析プログラムのミスミ・ベトナム人留学生奨学金は、生活にも充分な金額が給付されるため、アルバイトの必要はありませんでした。これは本当に助かりましたね。MBAでの研究は、学部に比べて勉強量もレベルも違います。この奨学金を受給したおかげで、研究に没頭することができました。

経営分析プログラムで印象に残っている講義は、1年目の「古典講読」(現在は、導入ワークショップに変更)です。毎週、課題図書や論文を読んで、A4の用紙2枚程度に要約を日本語でまとめる必要があったのですが、母国語ではない日本語でのレポートはとても大変でした。また、2つから3つのグループワークが並行して行われ、チームでの議論が白熱すると深夜にまで及ぶこともありましたが、とても充実していて楽しかったですね。ワークショップの担当教員だった佐々木将人先生(経営管理研究科准教授)を始め、先生方にはとても丁寧に指導いただきました。

夏休みには、日・ベトナム交流事業を行っている知人の手伝いをしたり、折角、経営学を勉強しているのだから投資体験もしてみようと思い、株式投資にチャレンジしたりと、日本での活動が忙しくて長期休暇でもベトナムに帰国することはなかったですね。それでも家族とはテレビ電話で頻繁に話していたので、寂しくはありませんでした。

一橋での戦略思考を仕事に生かせる楽しさ

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一橋ビジネススクールが大切にしている戦略性や、ロジカルライティング、ロジカルシンキングの学びは、今も仕事にとても役に立っています。就職先としてミスミを選択したのは、奨学金が理由ではなく、ミスミグループの三枝匡名誉会長が一橋の客員教授でもあり、その著書を読んでミスミが戦略性を重視する会社だということを知ったからです。入社してからさらにそれを実感しており、ここでは社員全員に戦略思考が求められています。戦略についての共通言語がミスミにはあり、同じ土台で議論ができるのです。

ミスミでは、毎年テーマが変わる「社内研究」があり、今年はブランドごとの仕入れから販売までの計画立案がテーマとなっています。昨年は、新商品の投入がテーマでした。こうした社内研究の場で一橋での学びを実践できますし、毎年新しいことにチャレンジできるので、とてもやりがいを感じ、楽しく仕事をしています。

現在の所属は国内事業部ですが、中長期的にはグローバルなビジネスに携わりたいと思っています。

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